「劇場の骨格」

2026年9月6日(日) 17:00開演

佐藤卓史

ピアノ

尾崎未空

ピアノ



入場料金:4000円



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〔会場〕
カフェ・モンタージュ ≫ 地図
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
TEL:075-744-1070


【プログラム】


F.Schubert vol.29
“ オペラの夢 ”

F.シューベルト:
・イタリア風序曲 ニ長調 D592
・歌劇『アルフォンソとエストレッラ』序曲 D773
・英雄的大行進曲 D885

・イタリア風序曲 ハ長調 D597
・歌劇『フィエラブラス』序曲 D798
・エロルドの歌劇『マリー』の主題による8つの変奏曲 D908






オペラの夢

14歳で最初のジングシュピール『鏡の騎士』を作曲してから、死の前年のオペラ『グライヒェン伯爵』まで、シューベルトは生涯にわたってオペラの創作に取り組みました。生涯に費やした五線紙の総量の3分の1がオペラのために使われた、といわれています(堀朋平『わが友、シューベルト』より)。
オペラ作曲家としての華々しい成功を、若いシューベルトは夢見ていたのでしょう。特に劇場歌手のフォーグルと知り合って以降の数年は、新しいオペラの創作に勤しみ、他のジャンルの作品が極端に少なくなっています。そうして生まれた代表作『アルフォンソとエストレッラ』と『フィエラブラス』の冒頭を飾る序曲は、それぞれシューベルト本人の手でピアノ連弾用に編曲されました。作品の魅力を、少しでも多くの人に知らしめたいという意欲の表れだったのでしょう。

残念ながらこれらのオペラが生前に上演されることはありませんでした。これはシューベルト本人の問題というよりも、時代環境によるところが大きかったとみられています。その頃のウィーンでは、イタリア人作曲家によるイタリアオペラが人気を誇っており、地元の作曲家たちには出番が回ってきませんでした。

シューベルトも19歳のときに、当時ウィーンを席巻していたロッシーニのオペラ『幸福な錯覚』を鑑賞し、そのイタリア風の明るい響きに触発されて2曲の『イタリア風序曲』を作曲しました。オーケストラ版とともに、本人によるピアノ連弾版も残されています。

序曲に満ちる期待感は、つづくオペラ本編の内容を予感させるとともに、若きシューベルト自身の将来への夢が詰まっているようにも感じられます。その夢は現実にならぬまま散ってしまいましたが、希望にあふれた楽想をたどるうちに、もしシューベルトにあと10年、20年の寿命と、劇場で経験を詰むチャンスが与えられたなら・・・という夢想も膨らみます。

尾崎未空さんとの4手連弾による「シューベルトのオペラ」の世界、ぜひご期待下さい。


― 佐藤卓史