開催日時 - 2020年8月28日(金) 20:00開演
予約受付 - 2020年8月21日より開始
定員 - 30名様
会場 - カフェ・モンタージュ(京都市中京区・夷川通柳馬場東入ル)


入場料金 : 4000円(会員クーポン使用の場合は3500円)

※ご来場はカフェ・モンタージュの会員限定となります。


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「返歌」 - 山本裕康

短歌の世界における返歌。古来日本が大事にしてきた知的なコミュニケーションの、その簡潔な言葉の中にある含蓄や奥深さに、ずっと憧れを抱いてきました。
そのようなことが音楽の世界でも可能かもしれないと、何度もバッハの無伴奏チェロ組曲への返歌として作曲を試みましたが、人様の耳にお届けするような曲など生み出せる訳もなく挫折。
そんな中、バイオリニストで作曲家の桑野さんに「バッハの無伴奏チェロ組曲 第1番を聴いて現代人としてその返事を書いて欲しい」とお願いして作曲して頂いたのが、今回あわせて演奏する「おでかけゴブリン」です。題名こそおどけた感じがありますが、内容は実に悲しく深い(曲目解説参照)。それを初演したのが今年の2月。その直後から始まった数ヶ月に及ぶ自粛生活。最初の2カ月はずっとエチュードと音階のみを毎日練習していましたが、5月に入る頃からバッハの無伴奏チェロ組曲に向き合い始めました。向き合えば向き合うほど自粛生活を一生続けないと時間が足りないなと苦笑しました。
「この世の全ての楽譜が失われても、バッハの楽譜さえ残っていれば同じ歴史が繰り返されるだろう」と言ったのはバイオリンの巨匠グリュミヨーですが、バッハ以後の作品は全てバッハに対しての返歌かもしれないとすら思う今日この頃です。
今回の演奏会のプログラムを考えたときに、必ず演奏しようと最初に決めていたのは第5番の組曲でした。まだまだ続くであろう、マスクをしたままのこの息苦しい生活への返歌を奏する時期が、いま来ているではないかと感じています。カフェ・モンタージュが新たに始めようとしている企画の中にもその息吹を感じますし、今回の演奏会が演奏家としての私の一言目になればと思っております。


「おでかけゴブリン」 - 桑野聖

チェリスト山本裕康による委嘱作品(2020年)。
親しい間柄である社会的弱者の方が最近実際遭遇してしまった恐怖の体験が、社会的弱者への注意喚起や愛情と言った最近僕の作曲活動に於いて一貫したテーマになっていた創作物語が同じであった為、改めてその物語を曲にしてみました。ゴブリンの子供が母親の言いつけを守らずついつい行ってしまった見知らぬ街で恐怖に慄き、その後母親に救い出されて元の生活に戻るまでの物語を曲にしたものです。