「翼をつくる夢」
2025年2月26日(水) 19:00開演
【プログラム】
W.F.バッハ:
二本のフルートのためのデュエット 全曲
・第1番 ホ短調 Fk.54
・第2番 変ホ長調 Fk.55
・第3番 変ホ長調 Fk.56
・第4番 ヘ長調 Fk.57
・第5番 ヘ短調 Fk.58
・第6番 ト長調 Fk.59
《終演後》スペシャル・レセプション開催!
2025年2月26日(水) 19:00開演
J.S.バッハの長男であり、優れた息子たちの中でもおそらくは最大の才能であったと言い伝えられてるフリーデマン・バッハについては、その才能に見合った地位につくことが生涯叶わなかった人生と、その苦難の末、晩年は放浪生活を送り貧窮の中で死んだということが定説となっています。
後に幾人かの芸術家が辿ることになるロマン派的天才の人生、そのかなり早い時期のモデルともいえる彼の生涯は、作品の中に聴こえる先鋭的な和声の使用と相まってミステリアスな魅力をまとっています。
今回お聴きいただく二重奏曲の中の4曲 (第1,2,4,6番) はまだ父バッハが生きていた頃、フリーデマンが「バッハの息子」としてオルガニストの職に就いていたドレスデンで書かれ、残りの2曲 (第3&5曲) がフリーデマン・バッハが晩年に就職の最後の望みをかけていたベルリンにおいて書かれたというのが、現在の一般的な見解となっています。
おそらくドレスデンの巨匠ビュッファルダンやその弟子でベルリンの宮廷音楽家であったクヴァンツなど、今では伝説となっている当時のフルート・ヴィルトゥオーゾを想定して書かれたであろう、大変な技巧を要求されるこれらの作品を6曲全てをお聴きいただく壮大な一夜です。
公演のタイトルは、"『鏡の中の鏡』のイメージ "という上野星矢さんの一言から、ミヒャエル・エンデ作『鏡の中の鏡』の「父親でもあるマイスターの優れた指導のもと、夢の中で翼を作る」という幻想的な一節から、二つの羽が揃ってはじめて「翼」となる二重奏の世界に重ね合わせました。
終演後には出演者を交えてのレセプションを開催いたします。
幻想的なデュエット公演のあと、出演者も交えてしばし寛いだ時間をお過ごし頂けますと幸いです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
― 高田伸也 カフェ・モンタージュ