MONTAGE+
「マラルメの引力」

2025年12月13日(土)&14日(日) 20:00開演

club MoCo

京都市立芸術大学 現代音楽研究会



入場料金:2000円



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〔会場〕
カフェ・モンタージュ ≫ 地図
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
TEL:075-744-1070


【内容】

マラルメ/ドビュッシー/ラヴェル

C.ドビュッシー:
牧神の午後への前奏曲(M.ラヴェル編)
― 清野優芽 / 木本侑希 piano
― 橋本萌花 narration


牧神の午後への前奏曲(リム・ケネス編)
― 中田莉央 / 田島翔太朗 flute
― 大淵晴香 / 三木彩楓 clarinet
― 土橋昂樹 / 田中結希 violin
― 小松由乃 viola
― 西浦日菜 cello
― 清野優芽 piano


M.ラヴェル:
ステファヌ・マラルメの3つの詩
Soupir
Placet futile
Surgi de la croupe et du bond

― 橋本萌花 soprano
― 中田莉央 / 田島翔太朗 flute
― 大淵晴香 / 三木彩楓 clarinet
― 土橋昂樹 / 田中結希 violin
― 小松由乃 viola
― 西浦日菜 cello
― 木本侑希 piano



※二日間とも同プログラム


マラルメの「極限」から生まれる音楽

"マラルメにとって、『詩歌』とは、おそらく、全ての詩はもとより、なお全ての芸術がそれに向かって進む、共通にしてかつ到達することの不可能な極限であった"
(ヴァレリー『私はときおりマラルメに語った』(1931) より)

マラルメには「極限」という言葉がよく似合う。
形式がどこまで瓦解しても絵画が絵画であろうとし、音の連鎖が失われても音楽が音楽であろうとした20世紀の芸術は、言葉をその連続から解き放ち、意味を纏う以前の質感の状態にまで研磨して光の中に配置したマラルメの偉業なくしてはあり得なかった。
連続の中ではとらえることの出来ない言葉を、作曲家は確かに空気の波に置き換え、時間の質に寄り添わせた。了解をせずともそのままに受け入れ吸収する方法で、それがもともと音楽であったかのように。
マラルメの詩歌の純度と強度を、言葉でも数字でも測ることが困難であるとすれば、音楽の持つ強度と沈黙を持ってマラルメの波動を共有する場を持つ事の意義は大きいに違いない。


Club MoCoが今回カフェ・モンタージュで聴かせてくれるのはラヴェルの最高傑作のひとつといわれる『ステファヌ・マラルメの3つの詩』、そしてドビュッシーがマラルメの詩句から紡いだ『牧神の午後への前奏曲』をラヴェルによるピアノ4手版、そしてClub MoCoのメンバーで作曲専攻のリム・ケネスさんによる室内合奏版(ラヴェルの『マラルメの詩』と同じ編成)です。

音楽に言葉を聞き、言葉から新たな音楽が紡ぎ出されていた時代を呼び起こすモンタージュ・プラス。
ラヴェルの生誕150年の記念公演でもあります。土日のいずれの日か、皆様是非ご参加下さい!

― カフェ・モンタージュ 高田伸也