MONTAGE+
「シューマンと迎える春」
2026年3月1日(日) 20:00開演
【内容】
"シューマンの弦楽四重奏曲"
R.シューマン:
弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2 (1842)
Allegro vivace
Andante quasi variazioni
Scherzo
Allegro molto vivace
2026年3月1日(日) 20:00開演
全部で3曲あるシューマンの弦楽四重奏曲は、1842年の6月からたった2か月の間に全て書かれました。
弦楽四重奏についての構想は3年前から持っていたにしても、この短期間で書かれた3つの作品が持つそれぞれの個性の違いには驚かされます。
グレゴリオ聖歌のような序奏を持つ神秘的なイ短調の第1番、いかにもベートーヴェンの後期作品を意識したかのような複雑な声部構造を持つイ長調の第3番に比べて、へ長調で書かれた第2番はどう評せばよいのか。当時はどのように受け止められていたのか…。
音楽評論など絶滅してしまったとされる昨今ですが、シューマンの時代にもそのようなことをやっていたのはシューマンただ一人…というのがあながち言い過ぎでもないような状況だったようです。
ともあれ、音楽作品を評するときに基本となるのは調性です。この第2番の場合にはヘ長調なのですが、ヘ長調といえば…モーツァルトとベートーヴェンのそれぞれ最後の弦楽四重奏曲がヘ長調であったり、ベートーヴェンは田園交響曲がヘ長調である…、と見渡していくと、ひとつの作品がシューマンとの比較対象として浮き上がってきます。
それはベートーヴェンのヴァイオリンソナタ 第5番、いわゆる「春のソナタ」です。
なるほど、下降する旋律に与えられた性格など、シューマンの弦楽四重奏 第2番には「春のソナタ」と共通するところがあるということにひとまずしておいて、次に行きます。
カフェ・モンタージュの蔵書に「コベットの室内楽大辞典」なる洋書がありまして、その中のシューマンの項で弦楽四重奏曲 第2番の第4楽章の動機が、その前の年に書かれた交響曲 第1番の最終楽章と共通していると論じられています。この本は1929年に出版されたとのことですが、この時代にはまだ音楽評論が生きていたということなのでしょうか。ともかく、その交響曲とはシューマンのいわゆる「春」の交響曲のことで、出版時には割愛されたものの、もともとは楽章ごとに春にまつわる副題がつけられていて、弦楽四重奏曲と関連付けられている楽章の副題は「満開の春」なのです。
ここまでくると、このヘ長調の弦楽四重奏曲を「春」というキーワードをもとに捉えていくための基礎は出来たといえるでしょう。この続きは当日に…。
昨年に引き続きルシェリア・クァルテットによる演奏をお聴きいただけることとなりました。
3月1日、新鮮な「春」の音楽を是非聴きにいらしてください!
― カフェ・モンタージュ 高田伸也