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「出張。善行堂倶楽部」
2026年6月28日(日) 17:00開演
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― 山本善行
(古書「善行堂」店主)
善行堂の店内で鳴っているような良い音を、どうすれば作ることが出来るだろう。
その音は店奥から聴こえてくる。そちらに目をやると、奥には善行さんが座っているだけで、スピーカーらしきものは見えない。本を見ているふり、といってもこちらの自意識にも限界があるので、なんらか用事があるような不自然な形で店奥の善行さんの方に近寄っていくことになる。
本の売場からは見えるはずがない場所、積み上げられた本と本の間に、トールボーイ型のスピーカーが立っている。
スピーカーは店奥に座る善行さんの方だけを向いていて、いわゆる店内BGMというよりは、善行さん本人が聴きたくて聴いているようにしか思えない配置なのに、本棚で隔てられた入口付近でもあたかもそこに演奏者がいるような新鮮な音が聴こえるのだ。
音楽の息遣いが聴こえる。特に耳を傾けていなくても、自然と音楽に息をあわせるようになる。そして、その音楽に似つかわしい本がないだろうかと、本棚をじっと見てしまう。この音は、ここにある本達が作った音なのだ。
三条通のジャズカフェ"Chetty"に行った時に、WAY OUT WESTというジャズのフリーペーパーが置いてあるのを開いてみたら、そこに善行さんの連載コラムが掲載してあるのを見つけた。
毎月1冊、ジャズの本の紹介と善行さんのお仕事からの話題、ジャズ喫茶やライブハウスなどいろいろなところで善行さんが聴いたジャズ演奏のこと、レコードの紹介などが澱みなく、美味しいウィスキーのように体の中に入ってくる。
この連載はもう15年も、毎月一度も休むことなく続けて来られたとのこと。その15年分が全て詰まった文庫本『本の中の、ジャズの話』がこの5月にちくま文庫から出た。さっそく善行堂で入手し、2011年4月の連載第1回から読み始める。
その書きはじめに「ジャズを聴くように本を読み、演奏するように書ければいいなぁ、と思う」と言葉があって、息を呑んだ。
ここ数年、カフェ・モンタージュでコンサートはもちろんカフェの時間においても常に意識してきたひとつのモットーがある。「本を読むように、音楽を」
なんということか、その理想がこの文庫本『本の中の、ジャズの話』の15年間に詰まっているのだ。
「善行堂倶楽部」というのは、善行堂の一風変わった通販システムの名前。
2020年の春、お店に来ることの出来ないお客さんのひとりひとりから読みたい本のジャンルを聞いて、善行さんがそのひとりひとりのためにセレクトして何冊かを送ることを始めたのだという。本のソムリエと呼ばれる善行さん本人が、自分のために選んでくれた本が届くのだ。
いつでも、そのようにして本と、音楽と、そして人と向き合ってきた善行さんの話を聞きたい。
善行堂の店主、山本善行さんにカフェ・モンタージュにお越しいただけることとなりました。善行さんセレクトのレコードをかけながら、本の、音楽の、人の、尽きない話を聞く日曜日の茶会(ミニドリンク付き)です。
皆様、是非ご参加ください。
― カフェ・モンタージュ 高田伸也