幻想交響曲 バッハとクープランの復活

それは作ろうと思って作れる音楽ではない。

エクトル・ベルリオーズは10歳になって初めて学校に行き、でもすぐにやめさせられて、そこからは父ひとりに教育された。毎日、ヴェルギリウスやホラティウスの訳の分からない詩句を朗唱させられ、幼少にしてラテン語文学からの逃避が人生の第一目的となり、12歳で運命的な初恋をした。物置で見つけたフラジオレットを吹きならしてラテン語からの逃避を図っていたベルリオーズは、それをうるさがった父からフルートとドヴィエンヌ(パリ音楽院のフルート教授)の教則本を買い与えられ、ますます逃避活動に熱をあげてドルーエ(当代随一のフルーティスト)の協奏曲を演奏するまでになった。
アンベールという音楽の先生のもとで歌唱の勉強も始めた。 “幻想交響曲 バッハとクープランの復活” の続きを読む