完成するシューベルト

作曲家は 早く死のうが長生きしようが、晩年に完成する。
それは本当なのだろう。

しかし、シューベルトの到達点のひとつとして『幻想ソナタ』をみていたロベルト・シューマンが、はじめて最後の3つのソナタが登場した時、それを見て瞬時にシューベルト創作の後退と認識し「作曲家の初期の作品と取り違えかねなかった」と言ったことの意味を考えると、晩年に完成するシューベルトの物語が、ロマン派においては今と違う形であったことが分かる。 “完成するシューベルト” の続きを読む