鐘の谷のラヴェル

ラヴェルの「鐘の谷」という作品の事がよくわからない、ずっとそう思っていた。

この作品は『鏡』という曲集の最後、つまり5曲目に置かれていて、「夜の蝶」「悲しい鳥」「洋上の小舟」「道化師の朝」というそれまでの4作品が、はじめから楽しく聴くことが出来るのに対して、なぜか「鐘の谷」だけは頭に入ってこない。音楽が始まるだとも、終るとも思わないうちに、いつの間にか終わっている。 “鐘の谷のラヴェル” の続きを読む