時計の針をすすめた炎の話:序

作曲家セザール・フランクがどこからやってきたのか。
長い音楽活動の中で、最晩年になってようやく評価されたといわれるこの作曲家の登場までの道のりを探ろうとするのであれば、クラシック音楽史とされるものの流れを根底からひっくり返す覚悟が必要だ。

まずはじめに定義しておかないといけないのは、音楽には音楽が「作られた歴史」と音楽が「聴かれてきた歴史」という二つの歴史があるということだ。

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フランク、ヴァイオリンソナタ

フランクのヴァイオリンソナタがどのようにして発生した音楽であったか、これまで考えたことがなかった。考えようがないとも思っていた。しかし、フランクの全作品中でも際立って古典的な佇まいを示しているこのソナタの第4楽章に、突然別の音楽が重なって聴こえたことでそうも言っていられなくなった。 “フランク、ヴァイオリンソナタ” の続きを読む