ベートーヴェン、フリーメイソン

ベートーヴェンはフリーメイソンだったのか。
そうだったという文献もあり、そんな証拠はないという人もあり、そうでなかった証拠もないとか何とか…
それもこれも、もともとはフリーメイソンの為のものであったシラーの詩を使った作品、第九交響曲がその論争の種となっているのだが、もうひとつ、重要な作品をここに加えることができる。

ベートーヴェンの最後のピアノソナタのひとつ、第31番 作品110にはベートーヴェン自らが「嘆きの歌」- “Klagender Gesang”と楽譜に記した旋律が第3楽章の冒頭を飾っていることで有名である。
その嘆きの歌は、もともとはバッハのヨハネ受難曲の30番のアリア「すべて成就した」の引用で、ベートーヴェンは以前にもこの旋律を印象的に引用している。
それが1808年に作曲されたチェロソナタ第3番 作品69である。

それは果たしてどういうことか。
まず、ベートーヴェンのチェロソナタ第3番 作品69 イ長調(3つの#)にまつわる、フリーメイソンの3という数字。

フリーメイソンの守護聖人とされている聖ヨハネの存在。 その受難曲で歌われるイエスの最後の言葉、「成就せり」を「嘆きの歌」と記した意味。

そして、これもフリーメイソンとベートーヴェンの関係を取りざたされている作品59-1の弦楽四重奏の冒頭が、チェロソナタ第3番 第3楽章のアレグロで引用されること。

…ダヴィンチコードみたいになってきたぞ…。
結局のところ、ベートーヴェンがフリーメイソンであったかどうかは知る由もない。これらのことが、たとえば崇めていたモーツァルトとハイドンが加入していたフリーメイソンへの憧れの表出であったとも、なんでも考えたいように考えるしかない。

とにかく、200年以上にも渡ってこの分野の最高傑作といわれるような作品においては、どのような深読みも可能なのだ。

・・・・・・・・

2017年1月6日(金) 20:00開演
「ソナタと変奏曲」- ベートーヴェン vol.3
チェロ: 金子鈴太郎
ピアノ: 奈良田朋子
http://www.cafe-montage.com/prg/170106.html